有限会社ジャクルス
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患者様も、眼科医も、指導医もみんなハッピーな『白内障手術教育=カートンシステム』



 * 参照用のビデオ・CDは、転送速度が重くなりますので、本ホ−ムペ−ジではリンクさせておりません。また、市販もしていません。
    ご面倒をおかけしますが、『ホ−ムペ−ジのお問い合せの項目』で述べています『眼科関係会社の営業マンか、学術担当者』殿に依頼して入手なさるなどして下さい。

◆ ラベルが、『Karton−CT』、あるいは『Karton−CU』と記載されている試薬です。
● 前者は無色で粘稠な試薬です。後者は黄色の試薬です。『Karton−C』は両試薬の混和剤名です。

● 試薬『Karton−CT』 と、『Karton−CU』は、非常にゲル化し易い試薬のため、使用直前に混和して、混和剤『Karton−C』として使用します。                      

   実験中に、万一、手に付いたり、皮膚に付いたりしても安全です。水と反応して自然に硬 化する多糖類を主成分としたゲル化剤です。しかし、引火性がありますので、実験中は絶対に喫煙しないで下さい。また、周囲の火気にもご用心下さい。

● 実験のながれ:
    無処置豚眼後嚢側より1回分のゲル化剤を前嚢直下に注入⇒ゲル化した時点で⇒針や摂子を使用して、化学変性した豚眼前嚢を対象にCCCの練習をします。

●使用方法: 
   前処置された豚眼の後極側の強膜を、まず槍状刀、ランツェ型強角膜穿刀幅等で穿破します。穿刺部位は、赤道部以遠の強膜を狙います。創口は大きい方が後から分かり易いです。脈絡膜の黒い色が透けて見えている所が、穿破した後の刺入予定創口が後から分かり易い場所です。

 @ 次に、1.0mlディスポシリンジに針を付け、『Karton−CT』を試薬瓶から0.20ml吸い上げます(使用する針が27G鈍針=商品名『ヒ−ロン針』では、時間がかかりますが、18>23G鋭針ならば容易です)。粘稠な試薬ですので、シリンジ内で小空気胞が出来ますが、気にしないでそのままゆっくりと予定通り吸い上げます。(ビデオ・CD参照)

  今度は、そのまま『Karton−CU』を0.1ml〜0.2ml吸い上げます。シリンジ内に0.1ml弱の空気が残りますが、エア−抜きしないでもかまいません。これで混和液『Karton−C』が作成できました。(ビデオ・CD参照)
 

A ゲル化剤は注射器で吸い上げたままにして、シリンジ内にて混和しない様にします。両試薬はシリンジ内で不均一な濃度勾配の混和状態のままですが、後ほど均一なるように撹拌します。
  その後、27G鈍針ならば、そのままで。18G鋭針ならば、27G鈍針に替えてきっちり接続部を締め、シリンジ内の0.1ml程度残っている空気で、今度は両試薬を数回撹拌して、ゲル化していない事を確認後、シリンジを立てて鈍針先端から空気を押し出します。ここで、針全体を90°近く彎曲させます。(ビデオ・CD参照)

注意:両試薬を混和してできた『Karton-C』は、ゲル化し易い性質ですので、
作成後5分以内の早めに使用して下さい。
撹拌しない状態では、20分くらいは非ゲル化状態のままですので、鈍針丈を交換すると実験可能な時もあります。
しかし、撹拌後、10分以上放置しますと、シリンジ内でゲル化してしまい実験不可能になります。
混和後、ゲル化した場合の個所で、上記ゲル化をクリックしたら、ゲル化項目へリンク出来るようにして下さい。

処置@で作成した穿破創口部に、Bの『Karton−C』を吸引したシリンジの注入用鈍針を挿入し、後嚢後極部に向かって進入し、後嚢を破嚢したのち、前嚢直下まで鈍針先端を進めます。 (この時、シリンジ長軸を中心とした回転運動をしないようにして、針先を見失わないようにして下さい。尚、後嚢を穿刺・破嚢した時は、プチッとした感じがします。)(ビデオ・CD参照)

E 鈍針先端で軽く押し上げるような気持ちで、前嚢を持ち上げながら、前嚢直下に『Karton−C』を注入する空隙を作成します。

F ある程度空隙ができた段階で、『Karton−C』を注入します。瞳孔中央領で円形に拡大するよう前嚢直下で注入します。その時、ゲル化剤が満遍なく拡散するように、鈍針の先端方向を工夫すると良いでしょう。不均一な混濁の前嚢下白内障を得たい場合には、マダラ模様にするために、鈍針を後嚢に貫通させたまま、針先を諸所に移動させ、分散し、注入したらいいと思います。(ビデオ・CD参照)

注意:上記A〜E迄の手順は手際よくして下さい。両試薬とも、ゲル加速度を早め、早く前嚢切開が出来るように、成分調整していますので、混和後、許容最大時間は10分です。それ以上では、多くの場合、ゲル化して使用できません。
  また、注入に使用した鈍針は、通気して、鈍針中の『Karton−C』の残りを排除して下さい。こうすれば、鈍針がゲル化剤で詰まりませんので、高価な鈍針の使い回しができます。
  こうして慣れてきましたら、一回分の試薬で2≫3回はCCCの練習用模擬眼をつくることが可能ですが、ゲル化し易いですので、一回毎の使い捨てが間違いありません。

G 前嚢直下の空隙に注入された『Karton−C』は、急激に硬化していきますので、連続的に注入します。散瞳している豚眼の瞳孔領で、ある程度で拡散したら、その段階で注入を終了します。
  前嚢直下の人工的空隙に注入できる『Karton−C』の量は、最大量0.20mlですから、過剰な『Karton−C』の注入は、前房内、後嚢直下や硝子体腔への逸脱を起こし、本練習の模擬眼作成が不可能になり、逆効果です。欲張らずに少な目に注入して、確実に実験するように心がけてください。

H 『Karton−C』の硬さは、完全に時間依存性のため、数分経過した場合には、柔らかい白内障や、過熟白内障の前嚢切開の練習に適しています。15分以上おいた場合には、本当に成熟白内障に酷似するほど硬化しています。(ビデオ・CD参照)

I 更に、無処置の豚眼前嚢は、非常に強靱で柔軟性に富んでいますので、CCCがかなり困難ですが、『Karton−C』を注入処置された豚眼前嚢は、その化学作用で、人眼のように脆く堅くなっていますし、前嚢片は反転もしますので、不安定な人眼のCCCの練習に最適と思われます。(この反転操作は、人眼のCCCでは必須です。)

J さあ、やっとCCCの練習をする為の『前嚢下白内障豚眼』を得ることができました。
  ここで、次に、輪部切開予定部か、サイドポートを槍状刀を用いて作成します。その穿刺部位からヒアルロン酸ナトリウム(或いはこれに類似する粘弾性物質、以下同じ)を前房内に注入し、前房を確保します。(ビデオ参照)

K −A:切開針でCCCを予定される方は、お好きな位置のサイドポ−トから、予め曲げておいた切開針を前房中に刺入してCCCを開始して下さい。

−B:摂子にてCCCを希望される方は、12時位置の輪部を、直接強角膜穿刺刀にて穿破するか、強膜弁の作成後、同刀にて角膜内層を穿破します。再び、その後、ヒアルロン酸ナトリウムを前房内に注入し、前房を確保します。後は、稲村前嚢摂子等を使用してCCCの練習を行って下さい。

テンポラルアプロ−チを希望される方は、上述の方式を適宜変更して下さい。

L 上述の操作Jで開始したCCCの練習では、無加工の豚眼では不可能な、前嚢片の折り畳みが可能になっています。また、Hで述べましたように、『Karton−C』を注入処置せれている為、その化学作用で、人眼のように豚眼前嚢片は脆く堅くなり、不安定で脆い人眼のCCCの練習に最適と思われます。

  しかし、いきなり非染色の前嚢にてCCCを試みることは、初心者の方々にとって難しいと予想されますので、初心者の内は、下記の様に前嚢を染色剤にて染色した方法(染色法が便利かも知れません。(ビデオ・CDでは、無処置CCC、淡染色CCC、濃染色CCCの順にお見せしています。難易度はこの順になっています。)